コラム

2017.02.12

ワキガって、いったい何なんだ?

 耳アカには、粉状の耳アカ、アメ状の耳アカと、耳アカひとつとっても民族によって違いがある。

ちなみに欧米の白人や黒人の耳アカにはアメ状のものが圧倒的に多いのに、日本人の場合は粉状の耳アカが八割を占めるということがわかった。さらに詳しく調べてみると、日本の中央部には粉状の耳アカが出る人が多く、沖縄と北海道のアイヌの人は反対にアメ状の耳アカが出る人が大多数を占めていた。 

このうちアメ状の湿った耳アカをもつ民族には腋臭症、つまりワキガ体質の人が多いという。
耳アカとワキの下、一見なんの関係もないように思えるものの、じつはおおありで、耳から出る粘液は何を隠そう汗の一種なのだ。つまり、汗をかきやすい人は耳に汗をかいて耳アカが湿り、ワキの下にも汗をかいてワキガになるというわけだ。

日本人はどうも体臭が強いことを嫌う傾向にあって、とくに年頃の女性は自分がワキガである場合はひどく悩む。
それはアメ状の耳アカの人=ワキガ体質の人が、人口のたった二割しかいない少数派だからであって、大多数がワキガであるとされる欧米の人々には、そんなことに悩む人などほとんどいない。その代わりに、当たり前のエチケットとして香水が発達したのだ。ちなみにドイツでは、じつに九割がワキガ体質であるといわれる。

さて、耳アカを湿らせ、ワキガを生じさせる汗は、暑いときにダラダラ流れ出る汗とはちょっと違っている。汗を出す汗腺には二種類あって、ふつうの汗を出す汗腺をエクリン腺、耳アカやワキガの汗を出す汗腺をアポクリン腺という。
エクリン腺の汗は塩分を含んだ水が主成分で、体温調節の目的で皮膚から噴き出してくる。水は蒸発するときにまわりから気化熱を奪うから、熱が奪われてカラダが冷やされるのだ。このエクリン腺を全身に張りめぐらせているのは、哺乳類の中でもサルの仲間だけで、イヌやネコは足の裏にある肉球にしかないから、カラダに汗をかくことはない。
彼らが暑い夏の日にだらしなく口を開けて舌を出しているのは、少しでも水を蒸発させてカラダを冷やすためだ。同じく汗をかかないゾウが耳パタパタやるのも、カラダに風を送っているのと同時に耳に血液を集めて、それを冷やして全身に送っているのだ。

一方、アポクリン腺の汗は脂肪酸を含み、空気に触れてしばらくすると臭いを放つようになる。さらに、そこに細菌が繁殖し、この汗を分解するとワキガが発生する。 動物もアポクリン腺のほうは発達していて、臭いを異性に対するセックスアピールや縄張りのマーキングなどに使っている。人間でもアポクリン腺は耳とワキの下のほかには、肛門や乳房、陰部などエッチな部分に分布している。
とすれば、ワキガの人こそセックスアピールが強く男っぽい、あるいは女っぽい存在であるといえるのではないか。つまり、子孫を残すためのエネルギーがみなぎっているということで、むしろ自慢してもいいくらいなのだ。
それでも、男女とも清潔感こそ美徳とする現代の日本の風潮にあって、ワキガがどうしても気になるようなら、それなりの対処をするしかない。ワキの下に汗をかいたら細菌が繁殖する前にすぐにふき取るか、いっそのこと手術でアポクリン腺を部分的に切除してしまうという手もある。

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