コラム

2017.02.12

汗・体臭

 体臭や口臭は、気になりだすとトコトン気になるもの。

自分で自分を臭いと思い込んでしまう、「自己臭恐怖」という心の病気まである。しかし、研究によれば、汗の臭いにはそれなりの意味があるらしいのだ。

汗には二種類あり、それぞれ重要な働きをしている。

一つは全身に分布するエクリン腺から分泌される汗で体温の調節をしている。
ここから分泌される汗は、水分が皮膚の表面から蒸発するときにいっしょに奪われる熱(気化熱)を利用して体温を低下させる。40℃近い猛暑の中でも、運動で熱をたくさん体内でつくったときにも、37℃以下に体温を維持できるのは、汗のおかげだ。ただし、同じエクリン腺でも手のひらや足の裏からの発汗は、外界の温度とは関係なく、精神的緊張によって出てくる。いわゆる「手に汗握る」というヤツだ。
ウソ発見器は、電流で手のひらの発汗を測定し、精神的動揺を測定する機械なのだ。
もう一つの汗はアポクリン腺から分泌される汗で体臭を問題にするときにはふつうこの汗の臭いを指している。
アポクリン腺は、腋の下や乳首の周囲、肛門の周囲など特定の部分に分布し、毛穴の中に開口している。この汗は、分泌されたときから臭いわけではないのだが、空気に触れると変質しやすく、しかも皮膚表面 の細菌によって分解されると独特の臭いを発するようになる。これが体臭というわけだ。

アポクリン腺の汗は暑さや寒さとは関係なく分泌される。夏に体臭が強くなるのは、エクリン腺からの汗が増えて腋の下がしめりがちになること、また細菌の繁殖がさかんで汗の分解が進みやすいせいだ。
では何のためにアポクリン腺が存在するのだろうか。
じつはアポクリン腺には男性ホルモンの一種が含まれ、思春期から分泌が始まり、年をとると止まってしまう。また、分布している部位 から見ても性活動ときわめて関係が深いと考えられている。異性をひきつけるフェロモンのような存在なのだ。
ちなみに、アポクリン腺の分泌量には、人種差や個人差が大きく、黒人や白人に比べて日本人は少ない。また女性より男性に多く、優性遺伝する。体臭が気になるならば、まず腋の下の清潔が一番。殺菌剤入りの石鹸でマメに洗い、下着をきがえる。腋毛を剃っておくのも効果的だ。

トラックバック

トラックバックURL: